ちゃんとしてきた人ほど、判断に迷う|ミッドキャリア・マネージャーの意思決定1月23日読了時間: 3分ちゃんとしてきた人ほど、ある時から判断に迷うようになります。約束を守ってきた。期待に応えてきた。求められる成果も、きちんと出してきた。マネージャーとしての経験を重ねてきた人ほど、「これでいいのか」「本当に間違っていないか」と、立ち止まるようになる。昔は、もう少し迷わずに決められていたはずなのに。 不思議な話ではありません。ミッドマネージャーによく見られる変化です。仕事の経験を重ね、立場が上がり、関わる人が増える。判断の先にある影響範囲が広がる。情報も、選択肢も、一気に増える。その結果、「早く決めること」よりも「間違えないこと」に意識が向き始めます。マネジメントや意思決定の責任が重くなるほど、以前は自然にできていた判断が、急に重く感じられるようになります。 ここで、多くの人がこう考えます。「自分は前より決断力が落ちたのではないか」「昔の方が、仕事ができていたのではないか」でも、それは違います。判断に迷うようになったのは、能力が落ちたからではありません。立っているポジションと、引き受けている責任が変わっただけです。正解が用意されているフェーズから、自分で納得解を引き受けるフェーズに入った。ただ、マネージャーとして次の段階に進んだサインでもあります。 私自身も、このタイミングで立ち止まりました。以前は「決められる人」でした。スピードも、それなりに評価されていました。でも、ある時から、白黒をつけることが苦しくなりました。早く決めようとすればするほど、違和感が残る。後から「本当にこれでよかったのか」と考え込む。今思えば、私は判断力そのものではなく、判断の仕方・前提を見直す必要があったのだと思います。 このフェーズで必要なのは、迷わない力ではありません。必要なのは、迷いを扱える力。何を大事にしているのか。何を優先し、何を手放すのか。どこまでを自分の責任として引き受けるのか。こうした判断軸が整理されないまま意思決定を続けると、人は必ず苦しくなります。逆に言えば、自分の判断軸が少しずつ見えてくると、迷いは消えなくても、前に進めるようになります。 もし今、「以前より決められなくなった」と感じているなら。それは、後退ではありません。前に進んでいる途中です。判断に迷っている自分を、急いで修正しなくていい。まずは、「自分は今、どんな判断を引き受ける場所に立っているのか」そこから見直してみてください。迷っているあなたは、もう次のフェーズに足を踏み入れてます。