なぜ「白黒」や「ネクスト」を急いでしまうのか|判断を急ぐ思考の構造
- 1月23日
- 読了時間: 4分
私は、物事を白か黒かで決めたくなるタイプです。
ここで書いていることは、どこか遠くのマネージャーやリーダーの話ではありません。
私自身が、まさにこういう人間です。
このまま進むのか、止まるのか。
やるのか、やらないのか。
結局、次は何をすればいいのか。
それがはっきりしない状態が、どうにも落ち着きません。
考え抜くというより、
早く「ネクスト」を出したくなるのです。
曖昧なまま抱えていると、頭の中に未処理のタスクが溜まっていくような感覚がして、気持ちがざわついてきます。
だから、つい決めにいきます。
十分に考えたかどうかより、
判断が宙ぶらりんのままになっていないかの方が、気になってしまう。
以前は、それを
「仕事を前に進めるために必要な姿勢」
「マネージャーとしての責任感」
だと思っていました。
でも今は、少し違う見方をしています。
なぜ「白黒」や「ネクスト」を急いでしまうのか
白か黒かを早く決めたくなる。
次の一手を出さないと落ち着かない。
これは性格の問題というより、
役割と環境によって強化されやすい思考の癖だと思います。
特にマネージャーやリーダーの立場にいると、
次のような前提を日常的に背負うことになります。
判断を保留すると、周囲が止まる
決めないこと自体がリスクになる
「様子を見る」は無責任に見える可能性がある
その結果、
「止まらない判断」=良い判断
という前提が、無自覚に刷り込まれていくのだと思います。
判断のスピードや明確さが評価される環境では、
白黒をはっきりさせること、
ネクストを即座に出すことは、合理的な振る舞いでもあります。
問題は、それが
すべての場面に適用されてしまうことなのでは?と思っています。
決め続ける思考が生む、見えにくい負荷
白黒を急ぐ思考は、短期的には物事を前に進めます。
一方で、次のような負荷を静かに積み上げていきます。
判断の質より「判断している状態」を優先してしまう
グレーな状態を抱える余白がなくなる
自分の違和感や迷いを、処理すべきノイズとして扱ってしまう
その結果、
「間違った判断をしているわけではないのに、消耗する」
「未完了感が残っていて気持ち悪い」
という状態が起きやすくなります。
これは能力不足でも、意志の弱さでもありません。
判断を求められ続ける構造の中で、思考が最適化された結果なのだと思います。
判断を急ぐことと、考えることは別の行為
ここで一つ、切り分けておきたい点があります。
早く決めること
考えが整理されていること
この二つは、必ずしも一致しません。
白黒を出すことは、
思考を一度終わらせる行為です。
一方で、考えることは、
すぐに結論を出さず、
問いを一時的に保持する行為でもあります。
マネージャーやリーダーほど、
この二つを同一視しやすくなります。
「決め続けているのに、前に進んでいる感じがしない」
と感じるとき、
そこでは思考が止まり、判断だけが回っている可能性があります。
まとめ:前提を置き直す
白黒を急ぐ癖や、ネクストを出したくなる衝動は、間違いではありません。
それは、責任を引き受け、物事を前に進めてきた人ほど身につけてきた思考の形です。
ただし、それが
「常に正解を出し続けなければならない」前提にすり替わると、
自分自身を追い立てる構造になってしまうのだと思います。
判断を止めることは、後退ではありません。
一時的に問いを保留することも、立派な意思決定だと思うのです。
次の一歩へ
もし、
判断はできているのに、納得感がない
決め続けているはずなのに、疲れが抜けない
「次は?」と自分を急かし続けている感覚がある


